英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

企業の英語コミュニケーション基準の効用

多くの日本企業において海外コミュニケーションはほとんど英語で行われます。しかしそのコミュニケーションの中身は日本語でのコミュニケーションに比べて非常に低いと言わざるを得ません。この事態を改善するためには会社としての「英語コミュニケーションの基準」みたいなものが必要だと思います。

 

そもそもグローバルにビジネスをする日本企業には英語に関して4つのタイプの人たちがいます。

 

①ネイティブ
②非ネイティブ上級(ヨーロッパ系)
③非ネイティブ中級(アジア系)
④非ネイティブ初級(日本等)

 

このようにタイプが違う英語の使い手がいるとやはりコミュニケーションは難しくなります。いくつか例をあげるとすると下のような問題です。

 

・ネイティブの英語は難しすぎて他の人たちが理解できない

・非ネイティブ同士でも使う英語が違って通じない

・非ネイティブがネイティブを目標としてエンドレスに勉強することになる

 

まず当たり前ですがネイティブの英語力は突出しています。英語を数十年つかってきているので、数年程度勉強&経験した人では到底たちうちできません。そのネイティブが全力で英語を話すと非ネイティブ上級の人でも理解することは困難です。初級と上級や、中級とネイティブのようにレベルが2つ以上違うと互いにコミュニケーションを成立させることは難しくなります。これは子供同士や大人同士であれば会話できるのに子供と大人だと会話が通じなくなるようなものです。

 

また、非ネイティブ同士であっても使う英語は異なります。中国人、インド人、シンガポール人などそれぞれ母国語の癖が出た英語を使います。お互いが自分たちの英語は正しいと思っているので、認識がずれたままコミュニケーションの失敗につながることもあります。

 

最後に厄介な問題は、非ネイティブがどのレベルを目標にどれくらい勉強したらよいかということです。もし明確な目標がなければほとんどの人は英語界の頂点であるネイティブを目指してしまいます。それが唯一の指針であり、正しいと思われるからです。しかしネイティブレベルは目指すことが困難なだけでなく、もし到達しても他の非ネイティブには通じないというやっかいなものです。

 

このような結果を避けるためにも少なくとも企業内における英語のレベル差をある程度縮める必要があります。そのためには様々な方法が考えられますが、企業レベルでみると「社内英語使用基準」のような全社ルールを作ることも一案です。これを作ることでネイティブは初中級者にも分かりやすい英語を話すように努めますし、初中級者はどれくらいのレベルの英語を話せるようになるべきかという指針ができます。

 

言語に対してルールというほどの強制力を働かせることは難しいため、指針(ガイドライン)としたほうがよいです。ガイドラインの主旨は「できるかぎりこれくらいのレベルの英語を使いましょう」というものです。

 

これがあることで①ネイティブから④非ネイティブまですべてのレベルの人が英語に対しての「迷い」を減らすことができます。この「迷い」を減らすことでミスコミュニケーションやコミュニケーションの時間を減らすことができます。

 

企業におけるコミュニケーションの機会は数え切れないほどあります。なので「迷い」を減らしてコミュニケーションを少しずつでも効率化することで、長い目で見れば企業にとって非常に大きなメリットとなるはずです。