英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

英語習得の2つのルート

英語の習得ルートには①ネイティブルートと②非ネイティブルートがあります。それぞれのルートには特徴があるため、自分にあったルートを選択してそのルートを進むためのアドバイスを聞き入れるよう注意を払う必要があります。

 

まず2つのルートの特徴を整理すると次のようになります。

 

①ネイティブルートの特徴

・L/S → R/Wの順序で習得する

・音声をメインでインプットする

・英語のみで学ぶ

・文法は自然に学ぶ

・子供向き

・習得に必要な時間が②よりも長時間かかる

・到達レベルが②よりも高い

 

②非ネイティブルートの特徴

・R/W → L/Sの順序で習得する

・文字をメインでインプットする

・日本語でも学ぶ

・文法は勉強で学ぶ

・大人向き

・習得に必要な時間が①よりも短時間かかる

・到達レベルが①よりも低い

 

こうして比較すると2つはまったく別のルートだということがわかります。そして「普通の日本人の大人」であれば②の非ネイティブルートを選ぶことになると思います。

 

しかし、ここで非常に厄介な特徴があります。一番下に書いた「到達レベル」についての特徴です。厄介というのは非ネイティブの「到達レベル」はどうしてもネイティブよりも低くなってしまうことです。それはある人にとっての外国語のレベルがその人の母国語のレベルを上回ることがないのと同様の理屈です。この点は英語と日本語だけでなくすべての言語について当てはまります。

 

その点は仕方ないとして、問題はその「到達レベルの差」がそのまま学習者に対する発言力や影響力につながってしまうことです。つまり英語が上手な人の意見の方が学習者に聞き入れられやすくなるということです。なぜかというと、英語が上手に使えるようになりたい学習者にとっては、英語をより上手に使える先生の意見の方が(実際は間違っていたとしても)正しく聞こえてしまうからです。もし英語が上手な人がネイティブスピーカーであればさらに強力になります。

 

そもそも英語に限らず、外国語学習者にとってネイティブは「神」です。「神」は英語についてはすべてを知っており、間違いを犯さない唯一無二の存在だと信じられています。そんな「神」が発する言葉と、非ネイティブのような「民」が言う言葉では重みが全く違います。

 

しかしその「神」であるネイティブは自分が英語を習得した方法(①ネイティブルート)をベースにアドバイスをしてきます。そしてもったいないことにそのアドバイスは①ネイティブルートを目指す人にとっては有効なのですが、②非ネイティブルートを目指す人にはあまり役に立ちません。役に立たないどころか、別ルートを進むための標識として道に迷わせることになるため、害になる可能性さえあります。

 

もう一度繰り返すと、英語の習得ルートには2通りあって一方のルートには正しい標識でももう一方のルートにとっては正しくない標識があるということです。このことを忘れてしまうと、ルート上を永遠と彷徨い続ける羽目になります。