英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

品格ある日本人の英語

「ネイティブ信仰を捨てれば、必ずうまくなる!!ー 品格ある日本人の英語」
曽根宏 著(ビジネス社) を読みました。

テーマは、「ネイティブ発音や流暢さではなく、中身で勝負せよ」です。
ソニー盛田昭夫や元国連の明石康の英語を例に出しています。
実際に仕事で活躍した日本人の英語のため説得力があります。
アメリカ英語の幻想を追い求めていつまでも話せない日本人に、
まず付録のCDを聞かせるべきだと思います。

しかし、二点ほど違和感がある主張がありました。

(1)確かに日本人に完璧なネイティブ発音は必要ないと思いますが、
聞きやすいように努力する必要はあると思います。
Youtube盛田昭夫の動画では、英語字幕が付いていました。)
また、正しく発音ができると、リスニング力にも効果的です。
適度な発音トレーニングは必要だと思います。

(2)品格ある英語ということで、深い教養が必要と著者は言っています。
そうであれば、深い教養をシンプルな英語で話しができればいいはずです。
実際に盛田昭夫は非常にシンプルな英語で話していました。
一方で著者が進める勉強方法や単語レベルは若干難し過ぎます。
著者の言うレベルまで「使いこなす事」は普通の人には困難です。
これでは頭の良い日本人しか英語が話せないと言う風に聞こえます。
もう少し、現実的な方法と目標レベルを提示してほしいと思います。


これらの点を差し置いても、今の日本の英語教育会では非常に貴重な
意見です。この本のように、筋の通った主張が少数派なことが、今の
日本英語教育の問題そのもののような気がします。