英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

外国人力士の日本語力

外国人力士には日本語が非常に上手な人が多いです。

そのことについての研究を書かれた本があります。

『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか』
(著)宮崎 里司:明治書院

<目次>

第1章 モンゴル力士、大学の教壇に立つー旭天鵬の日本語力
第2章 辞書などなくてもー教室の外に上達の王道がある
第3章 「おかみさん」は最良の日本語教師ーことばを育む「母親」たち
第4章 外国人力士の「日本語応援団」-兄弟子、床山、教習所
第5章 下町人情と外国人力士ー地域との交わりは最高のけいこ場
第6章 教室以外の学習チャンスを生かそうー最新の言語学習理論にかなった学び方
第7章 外国語学習に悩むあなたへー目からウロコのヒント集
第8章 外国人力士と相撲界

書籍の要約が下のページにあります。
http://blog.livedoor.jp/you_zero2467/archives/51422200.html

<要約>
 1.来日前の日本語学習経験がない

 2.通訳に頼らない
 3.バラエティのある日本人ネットワーク
 4.24時間日本語漬け
 5.日本事情の学習
 6.強い動機
 7.順応性
 8.バラエティのある教材
 9.辞書を引かない

<外国語学習のためのアドバイス
 1.強い学習動機を持て
 2.自分の学習環境にできるだけ多くの母語話者を取り込め
 3.そのネットワークの中で目標言語に漬け浸れ
 4.教室だけの語学学習で満足するな
 5.常に自らの学習に働きかけるストラテジーを習得する工夫を施せ
 6.自分の学習を人に管理させず、自分自身で面倒を見ろ
 7.語学学習のモデルとなるような学習者はあなたの周りに必ずいる。
   その学習者の行動をよく観察して。自分に合ったものは積極的に盗め。


これを読んで確かにと頷く点は多いです。

ただ、日本人が英語を学ぶ時に外国人力士のような「恵まれた環境」は
臨めません。

また、外国人力士は言葉ではなく、その肉体と技で戦っています。
読んだり書いたりする必要はないため、話すことだけで十分です。
彼らの日本語は上手に聞こえますが、話せる内容は極めて限定的です。
周りの日本人力士もそれほど高度な日本語を使わないので、
マネをしやすいということもあります。

日本人の英語の勉強は、どうしても最初からハイレベルになりがちです。
また、学習者のモデルになるような人はなかなか見つからず、結局は
これまたハイレベル過ぎるネイティブを見本にせざるしかありません。

私が外国人力士の日本語力を参考にする場合、以下の3点が重要です。

・明確な目標を持つ。
・簡単な英語から話せるように訓練する。
・簡単な英語を使えるモデルを探してマネする。

この3点に注意するだけで、かなりの日本人は上達すると思います。