8.聞くスキル
聞き流しではなく、認識できる音をコツコツ増やす訓練が必要です 日本人にとって、リスニング力の前提はリーディング力です。初めに読めて、次に聞けるようになるという順番です。私たちは英語のネイティブではありません。読んで理解できない英語は、聞いても理解はできません。リスニングとは、耳で聞いた音を、頭の中で覚えている文字と一致させるスキルです。頭の中に入っていなければ、音は耳を通り抜けてゆくだけです。
(1)リスニング力は、スピードと音への対応力です。
①スピードへの対応力・・・・・・話すスピードで理解する力
・リーディングと同じように、文を前から理解する
・単語単位ではなく、2~3語の意味の「塊」で理解する
・話される速さで、頭の中に内容をイメージする
②発音への対応力・・・・・・文字と音を頭の中で一致させる力
・単語単位で、発音記号やアクセントを認識する
・音の「かたまり」単位で、音のつながり(リンク)を認識する
・文単位で、イントネーションやリズムを認識する
(2)リスニングのトレーニングには、以下のようなものがあります。
・精聴 ・・・テキストを見ずに聞き、聞きとれない音を確認します。
・ディクテーション・・・聞こえた英語を書き取ります。
・音読・・・理解できる英語を繰り返し声に出して読みます。
・シャドウイング・・・聞こえた英語を1秒遅れでリピートします。
・多聴・・・いろいろな英語を聞きます。(効果は薄い)
・聞き流し・・・英語のテレビなどをBGMにしておきます。(効果薄)
※「多聴」や「聞き流し」だけをリスニングのトレーニングだと勘違いしている人が少なくありません。「多聴」や「聞き流し」はやった方が良い程度の位置づけで、メインとなるトレーニング方法ではありません。
<リスニング教材を選ぶときのポイント>
・テキストや文章がある教材 (無いと聞き流しになってしまう)
・読めば理解できる教材 (スラングや専門用語が多いものは避ける)
・スピードが速過ぎない教材 (初心者はゆっくりめで)
・興味のある教材 (何度も繰り返し聞いても飽きないため)
・背景が理解できる教材 (イメージがしやすいため)
<お勧めの教材>
・TED・・・Youtubeに多数あり。字幕付きの洗練されたプレゼン動画。
・映画・・・好きな映画であれば、何度も繰り返しトレーニングできます。
・例文付き単語帳・・・速読速聴英会話、DUOなら一石二鳥です。
リスニング力は、リーディング力を基礎としています。その上にコツコツとしたトレーニングの積み重ねが必要です。海外に行っただけで聞こえるようになるわけではありません。ということは、日本にいてもリスニング力は鍛えられることを意味しています。TOEICで900点以上取るような人たちいることがその証拠です。インターネット環境がよく、英語教材が溢れている日本なら、海外よりも効率的に短期間でリスニング力を向上させることができるはずです。
◆重要なポイント
・「リスニング力」は、「リーディング力」 + 「スピードと音への対応力」。
・聞き流しの効果は薄い。(英語漬けの意味は無い)
・ゆっくりコツコツと聞ける音を増やす。