英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

12.英文法の取り扱い方

基本的な文法以外は、適時確認する程度で十分です



「日本の学校は文法ばかり教えているから話せないのでは?」

これは非常によく耳にする英語教育批判の言葉です。文法不要論まで唱える人はいますが、的外れです。

(大学では第二外国語を学びますが、文法も何も知らないので何も話せません。)

「受験勉強で文法を勉強したが、まったく使えないじゃないか?」

文法の批判は、受験英語の文法には当てはまります。受験英語は、「使用頻度」を無視した難問奇問も多く出題されます。網羅的に勉強しないといけませんし、例外もしっかり覚えないといけません。そういった例外の方が、受験者の間に差をつけやすいからです。文法でもしっかりと身についているならまだましですが、「穴埋め問題」「選択問題」「並び替え問題」を解くレベルの文法知識しかありません。これでは実際に使えません。使えるためには、その文法が使われている例文をサラッと2、3つ言えることです。これは簡単そうに聞こえますが、ほとんどの日本人はできません。逆にこれができれば、中学英語レベルの文法でも非常に役に立ちます。

「子どもは文法なんて勉強せずに話せるようになるじゃないか?」

もし年齢が、10歳未満であるならば文法は不要です。しかし、20歳を過ぎてから、文法に頼らず英語を習得するのは難しいと言わざるをえません。とてつもない量と時間を、英語のインプットに使うことができれば、その中でよく出くわす「英語の型」を知らず知らずに覚えることができるかもしれません。

しかし、そこまで待つよりは、手っとり早く「文法」を覚えてしまった方がはるかに近道です。つまり、文法をやらないことが遠回りです。文法をやらない人は、理解できる文が少なく、インプット量が増えません。また、例文を丸暗記しないと覚えられません。その丸暗記をした例文は、自分でアレンジすることができません。文法的に理解できれば、自分の頭にもスッと入ってきます。そうして理解している英語であれば、自信を持って使う事もできます。

文法の勉強では、文法書を細かく読む必要はありません。気になった時に、文法書をチェックするくらいでよいです。英語を活用するうえで必要な文法は、やはり中学英語です。もし、中学レベルの文法が怪しければ、「文法書の例文だけ」あるいは「中学レベルの教科書」を繰り返し音読することが効果的です。中学レベルの文法は、頭で覚えるよりも身体で覚えたほう早いですし、また、その方が話す時に使える知識になります。細かい説明や穴埋め問題は不要です。とにかく文を丸々声に出して覚えてしまうことです。

文法も知っているだけでは使えません。一つ一つの文法は簡単でも、組み合わさるとなかなかスッとでてこないものです。例えば、「疑問形」、「現在進行形」、「疑問詞(5W1H)」など、一つ一つの文法ルールはそれほど難しくありません。しかし、その3つの文法が組み合わさったときに、間違えずに言うためには、相当の回数の音読や瞬間英作文を繰り返していないとできません。

使用頻度が高くない語彙があるのと同様に、使用頻度の低い文法もあります。これらに時間をかけることがないように「細かな文法事項にこだわり過ぎない」ことも大事です。(例:倒置、仮定法など) また、使用頻度は高くても、日本人には難しい文法やコミュニケーション上の影響が小さい文法も、こだわり過ぎると、英語が使えなくなるので気をつける必要があります。(例:冠詞、不可算名詞など)