英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

17.ネイティブ信仰のワナⅡ

「それでは、日本人はどれくらいのレベルを目指せばいいのか?」


目指すレベルは「人それぞれ」ですが、大学生や社会人で研究やビジネスを視野に入れているのであれば、彼らの実際の英語を聞くことが目標設定の参考になります。

 ・大前研一 ・・・ 経営コンサルタント

  https://www.youtube.com/watch?v=Y9hwsGTRn6Q

 ・孫正義  ・・・ ソフトバンクの社長  

  https://www.youtube.com/watch?v=Lee5u9rNOag

 ・山中伸弥 ・・・ 医学者(iPS細胞)

  https://www.youtube.com/watch?v=AD1sZU1yk-Y

彼らの業界での実力もさることながら、日本人として英語力もトップレベルです。「この程度のレベルでいいのか?」と思うかもしれませんが、現実的にはこのレベルが日本人の限界です。

彼らの英語には共通する特徴があります。この共通点こそが、「日本人が英語を話せるようための鍵」です。

<グローバルに活躍している日本人に共通する英語の話し方>

   ○ ゆっくり

   ○ 一文が短い

   ○ シンプルな文構造

   ○ 簡単な単語

   ○ 同じ表現が多い

   ○ 熟語や慣用句が少ない

   ○ ネイティブの発音ではない

   ○ 考えながら話している

   ○ 聴きやすい

★つまり、相手が子どもや老人でも理解できるような話し方です。

思ったことを全て英語にするのではなく、大事な6割くらいを話しています。



逆に、参考にならない日本人の英語も見た方が分かりやすいと思います。

 ・赤西仁・・・元KAT-TUN


  https://www.youtube.com/watch?v=AhjTLca3ccU

彼はミュージシャンです。耳が良いことは間違いないですし、留学もしています。(俳優でもあるので、発音にも力を入れているはずです) それだからこそ、普通の日本人にはマネできません。そしてなによりも、マネをしてはいけません。こんな話し方をしたらビジネスでは相手にされません。もしも、英語ペラペラのイメージが彼のような英語であれば、それは非常に危険です。(英語をファッションとして学びたい人、ネイティブの若者同士の話の輪に入りたい人で、さらに自信と才能があるのであれば挑戦するのは自由ですが。)

<普通の日本人が目指してはいけない話し方>

   × 早い話し方

   × 発音がネイティブっぽい

   × 熟語や慣用句が多い

   × 聴きにくい(何を言っているのかわからない)

最後にもう一人。

 ・石川遼・・・プロゴルファー(スピードラーニング)  

  https://www.youtube.com/watch?v=wm47XNG6Z5M

若干ブロークンながら、自分の専門分野でもこれだけコミュニケーションできるというのはたいしたものです。間違いなく、スピードラーニングの他にも勉強しているはずです。ただ、少し焦り過ぎています。思いついた単語をもとに、無理やり文にしています。彼はしっかりした日本語を話せるので、英語でも文を意識して、ゆっくり話すように訓練すればもっと上手になります。

それでも「ネイティブ信仰」を捨てきれない人はいるかもしれません。それは、ネイティブ様の英語をそんな適当に扱ったら罰があたる、という恐怖を捨てきれていない証拠です。そういう人は、こう考えてください。相手と日本語でコミュニケーションが取れないから仕方なく英語を使っているのだと。だからネイティブは崇めるものでも奉るものでもありません。ネイティブと話すときはまず日本語でこう切り出してください。「日本語は話せますか?」と。そして話せない場合はこう言ってあげてください。「あなたが日本語もわからなくて、しょうがないから英語で話してやるか。」これくらいの意識でちょうど良いです。

<ネイティブと英語の達人には気をつける>

 「ネイティブ信仰」は、ネイティブと英語の達人たちにより作り上げられた新興宗教であり、かつ、非常に収益力の高いビジネスモデルで、日本中に蔓延しています。(世界中といってもいいですが)

これを信じると、お金と時間だけが際限なく吸収されて、結果として何も残りません。この宗教は日本中に普及しているので、知らないうちに近寄ってきます。この宗教にむしり取られないためにも、何が危険なモノかを理解しておくことは非常に大事です。

【危険な学校・教材】

 ×おしゃべりするだけの語学学校・・・学習効果はほとんどありません。

 ×聞くだけで話せる教材・・・マスターしてもレベルが低過ぎます。

 ×ネイティブを強調する教材・・・実用性の低い英語が載っています。

【危険なネイティブ】

 ×英語しか知らない講師・・・外国語を習う生徒の気持ちを知りません。

 ×教育を受けてない講師・・・いい加減な英語をてきとうに教えられます。

 ×説明なしでマネしろという講師 ・・・能力の低い講師のパターンです。

【危険な日本人】 

 ×帰国子女のバイリンガル・・・特殊な環境の人なので、マネできません。

 ×鬼のような猛勉強をした達人・・・特殊な独力はマネできません。

 ×音感のやたら良い日本人・・・才能で上手くなった人はマネできません。

【危険なことば】

 ×日本人の発音はカッコ悪い!・・日本人の発音の人気は悪くありません。

 ×英語学習に効率性は不要!・・・達人が好きな根性論です。

 ×英語はとにかく慣れろ!・・・便利なことばですが、精神論です。


<重要なポイント>

  ・ネイティブの英語と非ネイティブの英語は別物。

  ・ネイティブ英語は不要どころか邪魔になる。

  ・見本は、ネイティブじゃなくて英語を使う日本人。