英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

22.グローバル人材とは

グローバル人材とは、日本で活躍できる、強い芯と柔軟性を兼ね備えた人です

 


企業でも大学でも、「グローバル人材」という言葉をやたらと耳にします。「タフで、コミュニケーション能力があり、グローバルに活躍できる人材」というイメージで思われています。意識の高い学生の多くが目指している姿ともいえます。確かにこんな「グローバル人材」だったら、どんな国でもやってゆけそうな気がします。また、「グローバル人材」がたくさんいたら、その企業もさらに成長できそうに思えます。

しかし、一つ重要なポイントがあります。「タフで、コミュニケーション能力があり、グローバルに活躍できる人材」の前に、「まず日本で活躍できて」という条件がつきます。この大前提が無ければ、どんなにタフだろうが、コミュニケーション能力抜群だろうが、グローバルに活躍することはありえません。日本のプロ野球でも活躍できないのに、アメリカのプロ野球で活躍できるわけがありません。さらにいうと、英語力だけ高く、仕事能力の無い人は組織に「害」となるケースもよくあります。

大企業が海外に出向させるのは、「英語力の高い人」ではなく「仕事力の高い人」です。これは、英語のできる人とできない人の「英語力」の差はせいぜい2倍程度です。2倍の時間をかければコミュニケーションをとることができます。しかし、仕事のできる人とできない人の「仕事力」の差は10倍、ときには100倍の差がつきます。そして、例え10倍の時間をかけても、「仕事力」の無い人から仕事のできる人と同レベルのアウトプットは期待できません。そしてあたり前ですが、日本語で仕事ができない人が、英語になると仕事ができるようになることはありません。

<海外で活躍できる人>

これまで、海外にいる日本人を数多く見て接してきました。その中には、海外でバリバリやっている人もいれば、そうでない人もいました。活躍している人たちの共通点をひと言で表すと「骨付きチキン」みたいな人です。

確固たる骨の部分が中心にあり、その周りを柔らかい肉で包まれているようなイメージです。よくいわれる「軸がぶれない」「芯がしっかりしている」というのと「素直さ」「柔軟さ(フレキシブル)」を合わせもっている人です。

いくら骨太でも、他を受け付けない人は、日本以外ではやってゆけません。周りに肉がついていないと、武骨で周りとゴツゴツぶつかることも多くなります。ある程度、柔軟な対応ができないと海外では生きてゆけません。しかし、骨がなくてプヨプヨの肉だけでは、海外では飲みこまれてしまいます。骨がしっかりしていない若い時に海外で生活をすると、アイデンティティが定まらない人間になるのもこの理由です。

海外で活躍している人の行動特性は他にもいくつかあります。ただ、いろいろな人があり、全てをパターン化することは難しいので、逆に「海外で活躍できない人」の特徴をあげます。

<海外で活躍できない人の特徴>

  × いつも誰かと一緒に行動する人

  × 相手に合わせ過ぎる人(空気を読み過ぎる人)

  × 寡黙な人、無口な人

  × 口だけ達者で行動しない人

  × 勇気と想像力の無い人

  × 外出や旅行が嫌いな人

  × 同じ店や場所ばかりに行く人

  × 指示がないと動けない人

  × ルールや規則を必ず守る人

海外に行くと、日本人は少数派になります。現地の環境に適応し過ぎると流されやすくなります。また少数の日本人だけで固まっていては、現地の情報が入ってこなくなります。「骨付きチキン」のバランスが重要です。

<グローバル人材になるには>

それでは、どうやったらグローバル人材になれるのか。日本で生まれた時からグローバル人材という人はいません。また、ある日突然グローバル人材になりました、ということもありません。適性はありますが、コツコツと変えてゆくこともできます。

何が大事かというと、グローバルに活躍したいと思ったら、覚悟を決めて「初めの一歩」を踏み出すことです。最初は海外旅行でも構いません。ガイド付きグループツアーからガイド無しフリープランになるだけでも成長があります。フィリピンの語学留学に1ヶ月もゆけば海外への恐怖心は減るはずです。そうして実績をつんでゆくことです。いきなり留学やインターンというと厳しいですが、それを見据えて行動を続ければ、必ず到達できます。グローバル人材なんていう資格はありません。小さな決断と行動の結果に過ぎません。

<重要なポイント>

  ・グローバル人材の前提=日本で仕事ができること。

  ・海外で活躍できる人は「骨付きチキン」タイプ。

  ・グローバル人材になるのも「初めの一歩」から。