英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

3倍速で上達する英語学習法

英会話の上達する人は英語を話す際に3回頭を使って考えています。そのため1回しか頭を使わない人と比べると3倍のスピードで英語を学習することができます。

 

英語を話す際に3回頭を使うということは次の3回になります。

 

①事前に何を話すかを考える

②話している時は集中して考える

③事後にもっと良い言い方はないかを考える

 

これを実践すると一度の会話の機会であっても3回練習したことになり、話すだけの人に比べて上達が早くなります。

 

またこれと同じことは普通の勉強をする時にも言えます。授業の予習をする人としない人では長期的にみると大きな差がつきます。

 

予習する人は英語を勉強する際に予習・授業・復習と最低3回は頭を使っています。

これとは反対に予習をしない人は授業を「お客さん」として聞くような状態となって、復習のタイミングで初めて頭を使うことになります。(復習すらしない場合は話しになりません)

 

このように事前・最中・事後(予習・授業・復習)で3回頭を使って考えることで、学習スピードは3倍になります。

 

※補足ですが、事前に1回頭を使っておくことで、最中の学習の質は上がりますし、事後の負担も大きく減らすことができます。つまり復習ベースの勉強法から予習ベースの勉強法に変えるだけで勉強時間を増やすことなく復習ベース以上の学習効果を発揮することもできます。

企業の英語コミュニケーション基準の効用

多くの日本企業において海外コミュニケーションはほとんど英語で行われます。しかしそのコミュニケーションの中身は日本語でのコミュニケーションに比べて非常に低いと言わざるを得ません。この事態を改善するためには会社としての「英語コミュニケーションの基準」みたいなものが必要だと思います。

 

そもそもグローバルにビジネスをする日本企業には英語に関して4つのタイプの人たちがいます。

 

①ネイティブ
②非ネイティブ上級(ヨーロッパ系)
③非ネイティブ中級(アジア系)
④非ネイティブ初級(日本等)

 

このようにタイプが違う英語の使い手がいるとやはりコミュニケーションは難しくなります。いくつか例をあげるとすると下のような問題です。

 

・ネイティブの英語は難しすぎて他の人たちが理解できない

・非ネイティブ同士でも使う英語が違って通じない

・非ネイティブがネイティブを目標としてエンドレスに勉強することになる

 

まず当たり前ですがネイティブの英語力は突出しています。英語を数十年つかってきているので、数年程度勉強&経験した人では到底たちうちできません。そのネイティブが全力で英語を話すと非ネイティブ上級の人でも理解することは困難です。初級と上級や、中級とネイティブのようにレベルが2つ以上違うと互いにコミュニケーションを成立させることは難しくなります。これは子供同士や大人同士であれば会話できるのに子供と大人だと会話が通じなくなるようなものです。

 

また、非ネイティブ同士であっても使う英語は異なります。中国人、インド人、シンガポール人などそれぞれ母国語の癖が出た英語を使います。お互いが自分たちの英語は正しいと思っているので、認識がずれたままコミュニケーションの失敗につながることもあります。

 

最後に厄介な問題は、非ネイティブがどのレベルを目標にどれくらい勉強したらよいかということです。もし明確な目標がなければほとんどの人は英語界の頂点であるネイティブを目指してしまいます。それが唯一の指針であり、正しいと思われるからです。しかしネイティブレベルは目指すことが困難なだけでなく、もし到達しても他の非ネイティブには通じないというやっかいなものです。

 

このような結果を避けるためにも少なくとも企業内における英語のレベル差をある程度縮める必要があります。そのためには様々な方法が考えられますが、企業レベルでみると「社内英語使用基準」のような全社ルールを作ることも一案です。これを作ることでネイティブは初中級者にも分かりやすい英語を話すように努めますし、初中級者はどれくらいのレベルの英語を話せるようになるべきかという指針ができます。

 

言語に対してルールというほどの強制力を働かせることは難しいため、指針(ガイドライン)としたほうがよいです。ガイドラインの主旨は「できるかぎりこれくらいのレベルの英語を使いましょう」というものです。

 

これがあることで①ネイティブから④非ネイティブまですべてのレベルの人が英語に対しての「迷い」を減らすことができます。この「迷い」を減らすことでミスコミュニケーションやコミュニケーションの時間を減らすことができます。

 

企業におけるコミュニケーションの機会は数え切れないほどあります。なので「迷い」を減らしてコミュニケーションを少しずつでも効率化することで、長い目で見れば企業にとって非常に大きなメリットとなるはずです。

グローバル企業なのに英語コミュニケーションが改善されない理由

グローバルな会社であれば英語の達者な人も多くいるはずなのですが、そういう会社であっても英語に対する苦手意識を持った人たちはなかなか減りません。

 

そもそもグローバルな会社で働いていると日々英語にさらされます。メール、電話、会議、情報収集などさまざまな場面で英語が必要になります。ただそのたびにほとんどの日本人社員は「あ~英語か、めんどうくさいな~」と思っています。

 

本来、ほとんどの社員が困っていることであれば、日本企業お得意の「改善 KAIZEN」が実行されるはずです。皆が「めんどうくさい」と思うことは真っ先に改善されるべきポイントだからです。それなのにこの「めんどうくさい」英語のコミュニケーションはいつまでも日本企業でほとんど改善されずに放置されてきました。

 

その理由は人の問題にあります。グローバルな会社の中はだいたいこうなっています。

 

社員教育を担う人事部には英語ができる人があまりいない。

・英語のできそうな帰国子女の若手は仕事ができない。

・仕事も英語もできる駐在帰りの人は忙しい。

・外部の英語講師では英会話スクールと変わらない。

 

これでは英語のコミュニケーションの根本問題を解決する人がいません。

 

そこで次に多くの会社が向かうのは、社員一人一人の英語力を上げるような策になります。昇進要件としてTOIEC700点とか、事あるごとに英語力をチェックするような施策です。しかし、社員のTOIECの点数が若干あがったところで、圧倒的な英語コミュニケーションの「めんどうくささ」は減りは微々たるものです。

 

さらにそれだけでは満足しない会社はトップダウンで「会社の公用語を英語にする」という策にでるところも出てきました。しかし残念ながら上手くいっているような話は聞きません。

 

このようにして日本企業における英語のコミュニケーションの「めんどうくささ」はは改善されぬまま放置されます。

 

英語で考えて英語を話せるようになるまで

英語のスピーキングにおいて「英語を話すときは英語で考えるべき」という意見はよく聞きます。実際に説得力があるように聞こえるので信じてしまう人も少なくありません。この意見に説得力があるように聞こえる理由は下のようなものです。

 

・日本語で考えると日本語の語順になってしまう

・日本語を介さずに英語で考えたほうが英語に素早くできる

・英語にはロジックがあるため考えるときも英語のロジックにするべき

・英語をスラスラ話している人は英語で考えている

 

英語の話せない人が聞くとなるほと思ってしまいます。しかしこの意見の半分は合っていますが半分は間違っています。半分間違っているというのは「最初からは英語だけで考えることはできない」という点があるからです。

 

そもそも何かを話すには話すためのネタとなる心象(イメージ等)が必要です。そのネタを頭の中で整理して徐々に言語化して最終的に話すことができます。それゆえ英語を英語で考えて話すためには心象(イメージ)が英語とつながっている必要があります。

 

しかし心象というのはその人がこれまで学習や経験したことの積み重ねによって蓄積されるものです。そしてその学習や経験は日本人であれば日本語環境で行われている場合がほとんどです。つまり普通の日本人の心象は日本語としかつながっておらず、英語とは直接つながっていません。だから日本語で考えて話すことはできても、英語で考えて話すことができないのです。

 

思い出してみると「英語を話すときは英語で考えるべき」という人のほとんどはこの心象がすでに英語とつながっている人たちです。ネイティブ、帰国子女、留学生や英語学習歴の非常に長い人たちばかりです。そのような人たちだからこそ「英語を話すときは英語で考える」ことはできるのであって、英語の初中級者には極めて難しいということが忘れられています。

 

それではどうしたら「英語を話すときは英語で考える」ことができるようになるのか。一つの答えは日本語の助けを借りたりしながら徐々に心象を英語ともつなげていくようにすることです。「心象⇔日本語⇔英語」という思考回路の流れを繰り返すことで徐々にではありますが「心象⇔英語」という思考回路の流れができるようになります。そしてある分野に関して十分な心象が英語とつながった時には日本語を介さずに英語を話すことが可能になります。

 

当然このように英語だけで考えられるようになるためにはかなりの時間が必要になります。だからこそ初中級者の人たちは躊躇せず日本語の助けを借りながら英語を話せばいいと思います。遠回りのように思えますが、これこそが最初から英語だけで考えようとしないことこそが「英語を話すときは英語で考える」ことができるようになるための近道です。

海外留学や海外駐在でも基礎力のない人は英語は話せません

日本にいるときは英語が全然話せなかったのに海外留学や会議あ駐在をしたらすぐに話せるようになったという人は結構います。そしてそのような人たちには共通点があります。日本にいるときにみっちり勉強した経験があり基本の語彙や文法がしっかり身についているという点です。

 

そもそも英語の基本が身についている人が話せるようになりやすいという仕組みは非常にシンプルです。すでに知っている基礎部分を現地で繰り返し練習することでそれが定着し話せるようになるからです。そういう人たちは「勉強不足」で英語が話せなかったのではなく「練習不足」のために英語が話せなかっただけだからです。

 

反対に、英語の基本が身についていないまま海外に行く人はどうなるかというと、一日せいぜい数十分程度しか英語(それもカタコト)を話していないことに気づいて「こんなことで本当に英語が話せるようになるんだろうか」という不安に駆られるようになります。その不安は当たっています。基礎部分がない人が毎日少しずつ練習しても結局グラグラで不安定な英語しか話せないからです。

 

それでは海外留学や海外駐在をする前の英語力を逆転することは不可能かというとそうでもありません。実際に海外で英語を勉強や練習をすると日本よりも非常に捗ることがあります。海外にいるとモチベーションは湧いてきますし、勉強したことをすぐに外で使ってみることもできるからです。(場合によっては勉強時間や練習時間も日本より多いでしょう)

 

ここで注意点が一つあります。多くの人は「海外にいると英語を使う機会がたくさんあるので机に向かって勉強するよりも外に出て英語を話して練習したほうが効果があるはず」という思いに駆られがちです。しかし勉強と練習の割合を間違えてはいけません。勉強よりも練習が多くなっては勉強が足を引っ張って練習の効果が十分にでなくなります。最適な時間割合は勉強1対練習1とかではなく、勉強10対練習1くらいといっても大げさではありません。実際に話せるようになる人はそれくらい日本で勉強してきているからです。

 

やはり海外留学だろうが海外駐在だろうが基礎力のない人は英語は伸びません。そのため基礎力をどこで固めるかということがポイントになりますです。国内でしっかり勉強した人は安心していいですし、そうでない人は海外でコツコツ頑張る必要があります。結局、英語を話せるようになるためのショートカットは存在しないからです。

 

「発音」「語彙」「文法」の中では「文法」の使いこなし方がスピーキングの鍵となる

英語のスピーキングを「発音」「語彙」「文法」の3つの要素に分けたとき、話せるかどうかは「文法」のを使い方で判断できます。たとえ「発音」が下手でも、たとえ「語彙」が少なくても基本的な「文法」が使いこなせていたらその人は話せる人です。海外で会う非英語圏の外国人はだいたいこのパターンです。

 

まず「発音」ですが日本人の多くは勘違いをしています。多くの人が「発音が良いこと」と「英語を話せること」を一緒だと考えています。しかし二つのことにはほとんど関係がありません。例えば英語を使って仕事をしている日本人のビジネスパーソンの多くは発音がかなり下手です。また非ネイティブで英語が上手といわれるインド人やシンガポール人の発音はかなり微妙ながらも非常に流暢に英語を使いこなしています。

 

次に「語彙」に関しても日本人の大半が勘違いしています。ほとんどの日本人は「語彙が多いこと」と「英語を話せること」が比例すると考えています。しかし実際は基本語彙(頻出語彙の上位2000語レベル)を知ってさえすれば英語を話すことは十分可能で、逆に上級の語彙(同5000語レベル)を知っていても使えなければ英語は話せません。

 

最後に「文法」です。これは逆説的な説明になりますが、もし「発音」と「語彙」が完璧な人がいたとします。その人の英語の語順、時制、助動詞の使い方がぐちゃぐちゃだとしたらその人は英語を話せる人だと思われるでしょうか。おそらくカタコトのブロークンイングリッシュ(Broken English)しか話せない人と見なされてしまうと思います。

 

このように「発音」や「語彙」に多少の難があっても、「文法」を正しく使いこなすことができさえすれば英語を話せる人だと思ってもらえます。そして実際にこれこそが英語を話せるようになるポイントといっても過言ではありません。

 

そのために必要なことは「文法」をみっちり勉強し直すことではありません。ただすでに知っている「文法」を使いこなせるようになるまで練習することだけです。特に上に述べた語順、時制、助動詞などが重要です。これらが意識せずに口から出てくるようになるまで繰り返し練習することができれば、もう英語を話せている状態となっていると言っても間違いではありません。

文法通りなのに英語にならない理由

読解問題が得意な人は英語はパズルのように考えてしまいがちですが、その考え方ゆえにスピーキングでつまずく人は少なくありません。

 

リーディングのときは文法に基づいて英文を分解するだけで理解できるのですが、スピーキングのときは文法に基づいて英文を作成しても理解されないことがあるからです。

 

なぜ文法を使えば英文を理解できるのに、文法を使っても理解されない英文になることがあるのか。これを3つの観点から解きほぐしてみます。

 

1.文法通りの英文には「使われるもの」と「使われないもの」がある

まず英語表現はすべてが満遍なく使われているわけではありません。ネイティブが使う表現というものには「癖」があります。これは「特に理由はわからないけれども何となくこちらの表現の方がよく使う」という好き嫌いのようなものです。この「好き嫌い」により無数にある文法的には正しい中もののほんの一部から、実際によく使われる表現が選ばれています。

 

2.文法が不完全ですべての英語表現の説明ができない

上記のよく使われる表現というものもなんらかの原因があって頻繁に使われることになったはずです。しかし我々の習う文法はそこまで深くは説明してくれませんし、そのような説明ができない場合がほとんどです。つまり文法は一見すべての英語を説明できるように見えても、実際に説明がつく部分は全体のほんの一部分に過ぎないということになります。

 

3.英語表現は変わるので文法の説明がついていけない

文法とはせいぜい「使われている言葉に共通するルール」くらいです。つまり英語表現を後追いで説明するに過ぎません。そのため英語表現がどんどん変化すると文法の説明が追いつかなくなります。もともと英語はいろいろな言語が混ざり合ってできた言語です。さらに現在では世界中で使われていることもあり、世界的に見ても変化の激しい言語であるともいえます。

 

このように文法は不完全であり、それに頼るだけではまともな英語をアウトプットすることは困難です。

 

それではどうしたら非ネイティブの我々にも英語のアウトプットができるようになるのか。それは昔から言われていることですが「ネイティブのマネをする」しかありません。文法が役立つのはその後です。マネをした英文が正しいかどうかの判断や、マネをした英文を改変するときの確認するときが文法の出番になります。