英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

文法通りなのに英語にならない理由

読解問題が得意な人は英語はパズルのように考えてしまいがちですが、その考え方ゆえにスピーキングでつまずく人は少なくありません。

 

リーディングのときは文法に基づいて英文を分解するだけで理解できるのですが、スピーキングのときは文法に基づいて英文を作成しても理解されないことがあるからです。

 

なぜ文法を使えば英文を理解できるのに、文法を使っても理解されない英文になることがあるのか。これを3つの観点から解きほぐしてみます。

 

1.文法通りの英文には「使われるもの」と「使われないもの」がある

まず英語表現はすべてが満遍なく使われているわけではありません。ネイティブが使う表現というものには「癖」があります。これは「特に理由はわからないけれども何となくこちらの表現の方がよく使う」という好き嫌いのようなものです。この「好き嫌い」により無数にある文法的には正しい中もののほんの一部から、実際によく使われる表現が選ばれています。

 

2.文法が不完全ですべての英語表現の説明ができない

上記のよく使われる表現というものもなんらかの原因があって頻繁に使われることになったはずです。しかし我々の習う文法はそこまで深くは説明してくれませんし、そのような説明ができない場合がほとんどです。つまり文法は一見すべての英語を説明できるように見えても、実際に説明がつく部分は全体のほんの一部分に過ぎないということになります。

 

3.英語表現は変わるので文法の説明がついていけない

文法とはせいぜい「使われている言葉に共通するルール」くらいです。つまり英語表現を後追いで説明するに過ぎません。そのため英語表現がどんどん変化すると文法の説明が追いつかなくなります。もともと英語はいろいろな言語が混ざり合ってできた言語です。さらに現在では世界中で使われていることもあり、世界的に見ても変化の激しい言語であるともいえます。

 

このように文法は不完全であり、それに頼るだけではまともな英語をアウトプットすることは困難です。

 

それではどうしたら非ネイティブの我々にも英語のアウトプットができるようになるのか。それは昔から言われていることですが「ネイティブのマネをする」しかありません。文法が役立つのはその後です。マネをした英文が正しいかどうかの判断や、マネをした英文を改変するときの確認するときが文法の出番になります。