2.英会話と受験英語の違い
英会話の力と受験英語の力は比例しません
意外に思うかもしれませんが、日本人は英語の勉強が得意です。海外の語学学校に留学すると、最初にクラス分けのテストがあります。普通の高校を卒業している日本人であれば、一番上のクラスに入れられることも珍しくありません。日本人は、語彙や文法の知識が豊富だからです。
TOEICやTOEFLEの日本人の点数が世界で最下位クラスな理由は、たくさんの人が受けているからです。発展途上国でこの手の試験を受ける人は、優秀なエリート層くらいしかいません。同じレベルの受験者に限れば、決して日本人の英語が劣っているわけではありません。
最初にはっきりとする必要があるのは、受験勉強と英会話は別物だということです。だから受験勉強をいくらやっても、話せるようにはなりません。野球でも、守りと攻めのように、守備練習をいくらやっても、打撃練習をしなければ打てないことと同じです。
【図表1】いろいろな英語の種類
【図表2】受験英語と英会話の違い
英語を読めるけど話せないという人はたくさんいます。これは当然で、料理を食べられるけど作れないというのと同じです。まず食べて味を理解することは大事ですが、食べてばかりでも料理は作れるようになりません。
<重要なポイント>
・日本人は試験勉強が得意だが、英会話は苦手
・英会話には英語の勉強ではなく、別の訓練(トレーニング)が必要
しかし残念なのは、これが「お勉強」の話にのみあてはまることです。英会話など、実際に英語を使う場面となると、間違いなく日本人は世界最低レベルです。(英語と日本語の言語間の距離が大きいため仕方が無い面はありますが。)