英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

スピーキングでは「英語力 ≠ 語彙力」

学校の先生は「英語力は語彙力」であると言い、生徒たちに単語を覚えさせようとします。実際に学校のテストや受験においてはこの公式がだいたい成り立ちます。それはテストや試験がリーディング中心だからです。しかしこれがスピーキングとなると「英語力は語彙力」の公式は成り立ちません。別の表現をすると、スピーキング力は語彙数には比例しません。

 

それではなぜスピーキング力は語彙数に比例しないのか。その理由は3つあります。

 

理由①:スピーキングは語彙だけで成り立っていないため、語彙をいくら覚えても不十分なため

まずスピーキングでは英語の文を作らなければなりません。そしてその文はただ語彙の組み合わせだけで成り立っているわけではありません。文は語彙と文法の組み合わせでできています。スピーキングができない人は文法に弱点があるかもしれません。

 

理由②文法は知っているけれども、スピーキングのスピードでは使いこなせない

ただ実際に語彙力の高い人はだいたい文法もよく知っています。しかし文法を使いこなせるかというと、そういう人は意外と少数派になります。文法の知識はテストや受験で大活躍しますが、それだけではスピーキングでは使えません。使えるようになるためにはその知識を練習する必要があるからです。

 

理由③語彙が多いと検索する時間がかかるため

さらに怖いことがあります。「英語力=語彙力」という一種の強迫観念に駆られて必死に語彙を増やすと逆効果だということです。それは語彙が多いために生じる語彙選択の迷いです。例えるとピースの少ないパズルであれば簡単に解けるのに、ピースが多くなるほど時間がかかるようなものです。特に話せない人が語彙を増やすとスピーキングの一瞬では文は完成させることは難しくなります。

 

このようにスピーキングでは「英語力 ≠ 語彙力」というだけでなく、初級者にとっては語彙力がスピーキングの邪魔をすることさえあります。

 

英語を話せる人は少ない語彙を使い回して言いたいことを言っています。つまりスピーキング力を上達させるためには語彙力を増やすのではなく、自分が自信を持って使える文や表現を増やすことが近道となります。