英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

10.話すスキルⅠ

話すスキルは4技能で最も難しいスキルです

 

 

話すことは、4技能の中でも最難関のスキルです。話すことは、読む・聞く・書くという他の3技能全てを土台にして成り立っているからです。その関係は【図表】のようなピラミッド構造になります。

 

 

 

 

【図表5】4技能のピラミッド

 

f:id:egway:20180603193020p:plain


 

話すためには、他の3技能(読む・書く・聞く)ができることが前提です。それはつまり、読む、書く、聞く表現の中からしか、話す表現は生まれないということを意味しています。数字で表すと、読める表現が100、そのうち書ける表現は10、聞ける表現は10だとしたら、話せる表現は1しかありません。読める表現の100分の1です。おおげさに聞こえるかもしれませんが、言葉を話すことはそれくらい難しいものです。スピーキング力のアップは、この話せる表現「1」を選ぶことと増やすことが鍵です。

 

 

 

話す表現はやみくもに増やせばよいというものでもありません。100の中から1を選ぶ権利は慎重に使わないといけません。良い表現を選ばないと、選んでも使えないことや、選んでも使う機会が無いということになります。したがってこれは、英語表現を新しく覚えるというよりも、覚えている英語表現から使うものを選ぶプロセスです。

 

 

 

これまで何度も読んだり、聞いたりした中で、自分で使えない表現を選ぶことが大前提です。読むことも、書くこともできない表現は、決して話すことはできません。読む、書く、聞く、話す表現において重要なことは一貫性です。なかなか話せない人は、4技能の表現に一貫性がありません。一貫性がないと、どれも中途半端になって育ちません。4技能のピラミッドの外は、不毛な砂漠地帯です。そこで表現を覚えようとしても、自分に根付くことはありません。

 

 

 

もう一つ大事な考えは、会話中に英語表現を組み立てないことです。英語が上手でない人は、会話中に頭のなかで必死に英語を組合せようとしています。一方、英語が上手な人は、すでに組み立てられて頭の中にしまってある英語を引き出して話しています。(英語を書くときも同じです)

英語を書くことと、話すことはアウトプットの本質的には同じです。つまり、話すためにも「アウトプットノート」が役立ちます。話すためにも、「アウトプットノート」に使いたい表現を書き溜めてください。ノートが1冊完成して、それを十分に音読しているのであれば、間違いなくノートの表現は自分のものになっています。

 

 

 

 

 

 

話し言葉と書き言葉>

 日本語と同じように、英語にも「話し言葉」と「書き言葉」があります。スピーキング力を伸ばしたいなら、「話し言葉」を使う必要があります。

話し言葉」と「書き言葉」で全然違うわけではありません。私たちが使う基礎的なレベルだと、「話し言葉」と「書き言葉」の8割は重複しています。また基本的には、「話し言葉」の丁寧な部分を使えば、「書き言葉」としても十分通用します。ただし、試験英語は英語の記事や論文を題材にしているため「書き言葉」が中心です。「書き言葉」を話すこともできますが、不自然になりがちで、話しづらいうえに、相手に通じない場合もあります。

 

 

 

 

 

 

<表現は塊(パターン)で覚える>

 英語をスムーズに頭の中で処理をするためには、単語を一語一語処理していては時間が掛かります。単語を2~5語くらいの1つの「かたまり」として処理することができれば、かなり処理にかかる負担が低くなります。「塊」にはいろいろな形があり、コロケーション、構文、定型表現、熟語、イディオムなどが含まれます。これらを覚えておくと、次のようなメリットがあります。

 

 

 

  ①「かたまり」の中を考える必要がありません。(省エネ・時間節約)

  ②「かたまり」の中を間違える心配がいりません。 (正確)

  ③「かたまり」なら相手にも通じやすくなります。 (実用的)

 

 

 

「かたまり」は、「パターン」「口ぐせ」とも言うことができます。自分の引き出しにある「かたまり」の質と量が、英会話力にダイレクトに影響します。

 

 

 

特定の「かたまり」が無い単語でも、例文で覚えることで同様の効果があります。その例文で一緒に使われている単語、使われている状況から類推して応用することができます。

 

 

 

 

 

 

※「かたまり」であっても、ネイティブっぽいイディオムやスラングは、通じないので覚える意味がありません。