10.話すスキルⅡ
<英語の話し方 7つの勘違い> 日本人で英語が話せない人ほど、話し方に対する勘違いをしています。 主な勘違いは7つあります。
(勘違い1)英語を英語で考えたい
「英語を話すときは、日本語を考えてはいけない」と言う人がいます。
それでは、話す内容はどこから湧いてくるのでしょうか。日本語で考え、生活をしている日本人に「英語で考えろ」は無理です。何年も勉強や経験したのちに、「英語で考える」ことは可能かもしれません。しかし、それはほとんどの日本人には無理な話です。まず日本語で考えを整理し、それをシンプルな英語にして話す方が、短期間で話せるようになりません。【参考:瞬間英作文】
(勘違い2)あらゆることでペラペラになりたい
どんなトピックでも、英語で話し続けることができるような人は存在しません。ネイティブでもそんな人はいません。日本人でも自分がよく知らないトピック(政治や法律など)について、意見を求められても困ってしまうことが多々あります。英会話力とは、自分に必要なトピックについて英語で意志疎通できる能力です。そのためにはまず、自分が何について話したいのかを明確にすることと、それに関連する単語や表現をコツコツと貯めてゆくことが必要です。
(勘違い3)できるだけ速く話したい
英語を速く話すことは、英語の上手さを意味するわけではありません。日本語でも早口は、聞き取りづらく良い話し方とは思われません。会話の本来の目的は、相手と正確に意志疎通をすることです。意志疎通のためにスピードが求められることはほとんどありません。ましてや日本人(非ネイティブ)であれば、ゆっくり話すことを問題だと思う人はほとんどいません。
(勘違い4)洗練された英語を話したい
会話の目的は相手と正確に意志伝達をすることです。英文の難しさ、複雑さ、長さは関係ありません。長く複雑な文よりも、短くシンプルな文の方が会話では有効です。受験英語の難しい単語や、ネイティブのようなこなれた表現を使う必要もありません。英検2級、TOEIC600点くらいの単語や表現で十分です。会話は頻出の2000~3000語の単語でほとんどがカバーできます。ドイツ人やインド人などもこのような話し方をしています。
(勘違い5)完璧な英語を話したい
会話において、細かな文法ミスなどはほとんど問題にはなりません。また、言い間違えや言い直しはごく自然なことです。私たちが日本語を話すときもよくやっています。私たちも外国人が日本語を一生懸命話している時に、細かな間違いなどは気にしないものです。今では世界中で英語が使われていますので、世界中でさまざまな英語に対して許容範囲が広がっています。私たちが英語を話すときも、相手は間違いに寛容です。(ちなみに許容範囲が狭いのがネイティブと日本人です。)
(勘違い6)新しい表現を瞬時に作りだしたい
私たちが日本語を話している時に、全く新しい表現を使うことはほとんどありません。 私たちは、よく使う単語や表現を使い回しているに過ぎません。英語も同様です。毎回即興でゼロから文を作り上げる必要はありません。過去に使ったフレーズを繋ぎ合わせたり、少しアレンジを加えたりするだけです。この意味では、「英会話とは英語の口ぐせを話すこと」と言えます。
(勘違い7)ネイティブのように話したい
日本人には「ネイティブのように英語を話したい」と考えている人が多くいます。それはネイティブしか見本を知らないからだと思います。しかし、ネイティブのような話し方は、普通の日本人がマネするには高度過ぎます。中学の野球部員が、メジャーリーガーをマネするようなものです。
手の届く目標となるのは、「大人になってから英語を話せるようになった日本人」です。頭の中の構造が近いので、無理なくマネをすることができます。もう一つ参考になるのが、「大人になってから日本語を話せるようになった欧米人」です。私たちが「日本語⇒英語」の壁を越えなければいけないのと反対に、彼らは「英語⇒日本語」の壁を越えて話しています。このプロセスと話し方は、私たちがマネをするべきポイントです。