英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

英語シャワーの幻想

「海外に行って英語のシャワーを浴び続ければ話せるようになる。」

こんな幻想を抱いた人がたくさんいます。というよりもむしろ、英語を話せない人のほとんどは、同じような誤解をしていると言ってもいいくらいです。残念ながら、大人が英語のシャワーを浴び続けても話せるようにはなりません。

このよくある勘違いは、「子どもが言葉を覚え方」のイメージに影響されてるのだと思います。私たち自身が経験したことでもあるし、周りの子どもたちも自然に言葉を覚えているように見えるからです。

子どもが言葉を覚える達人である事実は間違いありません。しかし、あたり前ですが大人は子どもじゃありません。達人である子どもですら、母国語を覚えるのに何年もかかります。しかも、シャワーを浴びているだけでなく、自らの汗と涙のシャワーを流して、覚えてゆきます。

中には、親の事情などで日本語と英語の両方を話せる子どもがいます。本人にとっては、相当の苦労をしているはずです。それゆえ実際には、日本語の能力を犠牲にして英語を覚えている子も少なくありません。帰国子女で英語を話せるけども、日本語はカタコトしか話せないという話はよく耳にします。大人になっても日本語の読み書きに自信が無いという人も知っています。

このように、子どもでも多くの努力と犠牲を払って英語を話せるようになります。それなのに、いい大人が、「英語のシャワーを浴びさえすれば。」なんて夢を見ていたら、それこそ子どもたちに笑われるでしょう。


現実は甘くありません。アメリカに30年以上住むある日本人夫妻は、未だに買い物やレストランの英語しか話せません。海外に駐在する日本人ビジネスマンの奥さん連中は、4~5年現地で生活していますが、現地の言葉をほとんど覚えることなく帰国します。同様に、日本在住10年以上の外国人でも、日本語を全く話せない人は山ほどいます。私自身もインドでヒンディー語のシャワーを浴びましたが、当然のごとく何も起こりませんでした。