英語を話せるようになる戦略

日本人のための英語の学習方法と話し方ブログ

英語のリーディングとスピーキングを別教科にするとよい理由

英語のリーディングとスピーキングは目的も学習方法も必要性も全然異なりますので、科目としても分けた方がいいと思います。たとえば数学と物理は似ている部分はありますが別科目になっています。同様に英語リーディングと英語スピーキングも似ている部分はありますが別科目にした方が別物として割り切って学ぶことができます。

 

まずリーディングとスピーキングでは目的が違います。それぞれの目的は「読んで理解すること」と「話して理解させること」です。目的が違えば基本姿勢も変わってきます。リーディングでは「間違えないように正確に理解すること」が大事ですが、スピーキングでは「間違えてもいいからどんどん話すこと」が大事です。同じ教科の中でこれほど矛盾したことを言われると学生は混乱してしまいます。

 

またリーディングとスピーキングでは学習方法も違います。リーディングはコツコツ勉強する必要がありますが、スピーキングは繰り返し練習する必要があります。そして両方に共通する点は時間がかかるということです。異なる学習方法なのに同じ時間内で学ぼうとすると無理が出ます。

 

そしてリーディングとスピーキングでは必要性が違います。日本では英語を読める人よりも話せる人の方が少ないためスピーキングの必要性が過大に評価されていますが、実際は逆です。必要性があるから読める人が多く、必要性が少ないから話せる人が少ないといえます。現状のようにリーディングとスピーキングが同じ科目だと、学生たちは必要性を考えてどちらかを選択することはできません。

 

このようにリーディングとスピーキングは同じ英語でありながらほとんど別物であるのに、同じ教科にしておくといろいろなデメリットがあります。これらの問題を解決するためにも英語を英語Rと英語Sに分けてしまうことが残された道です。

 

正直、別教科案は現実的には難しいかもしれませんが、それくらいの覚悟と認識がなければ英語教育改革は中途半端に終わります。その悪い結果はリーディングとスピーキングの両方ともが身に付かない学生を大量生産することにつながります。